古事記
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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古事記ってのは日本歴史論、日本語論、日本文化論、天皇論の最高峰だな。現代語訳でさえはじめて読んだのですがm9(^Д^)、大変勉強になった。橋本治っていいよなー。
例えば私たちは「桜」を好む(チャンネル桜ってのもありますね)。これはおそらくニニギが、永遠を象徴するイワナガヒメ(岩)ではなく、一瞬の繁栄を象徴するコノハナノサクヤビメ(木の花=桜)を選んだことが発端である。
ニニギとコノハナノサクヤビメ間からは山幸彦が生まれる。山幸彦とトヨタマビメの間にはウガヤフキアエズが生まれる。そしてウガヤフキアエズは神武天皇の父となっていくのである。ここから理解できるのは、神武天皇の曽祖父は永遠よりは一瞬を、岩よりは桜を選んだということである。君が代の歌詞には「千代に八千代に」「細石の巌となりて」というフレーズがあるが、これは単なる近代人の思い上がりではないか。
それと古事記を編纂せたのは中継ぎの女性天皇なんだよな。「古道」を体現する重要な日本の歴史書が女性天皇によって編まれたことを、ちょっとは頭の隅に入れておくことにする。元明天皇は自分をアマテラスのように考えていたのではないか?
ま、こんな感じで読みどころ満載です。テクストに戻れ!たまにはいい事ゆうよな毛唐も。