古事記

橋本治の古事記 (シリーズ・古典7)

橋本治の古事記 (シリーズ・古典7)

古事記ってのは日本歴史論、日本語論、日本文化論、天皇論の最高峰だな。現代語訳でさえはじめて読んだのですがm9(^Д^)、大変勉強になった。橋本治っていいよなー。

例えば私たちは「桜」を好む(チャンネル桜ってのもありますね)。これはおそらくニニギが、永遠を象徴するイワナガヒメ(岩)ではなく、一瞬の繁栄を象徴するコノハナノサクヤビメ(木の花=桜)を選んだことが発端である。
ニニギとコノハナノサクヤビメ間からは山幸彦が生まれる。山幸彦とトヨタマビメの間にはウガヤフキアエズが生まれる。そしてウガヤフキアエズ神武天皇の父となっていくのである。ここから理解できるのは、神武天皇の曽祖父は永遠よりは一瞬を、岩よりは桜を選んだということである。君が代の歌詞には「千代に八千代に」「細石の巌となりて」というフレーズがあるが、これは単なる近代人の思い上がりではないか。

それと古事記を編纂せたのは中継ぎの女性天皇なんだよな。「古道」を体現する重要な日本の歴史書女性天皇によって編まれたことを、ちょっとは頭の隅に入れておくことにする。元明天皇は自分をアマテラスのように考えていたのではないか?

ま、こんな感じで読みどころ満載です。テクストに戻れ!たまにはいい事ゆうよな毛唐も。