江本勝ふたたび

この男によると「108の元素は人間の108の煩悩に対応してることはもはや常識である」のだそうだ。常識的にいえば人間の勝手な考えを自然法則に投射させるのはバカそのものだと思うのだが。

ところで梶原一騎は『巨人の星』で「ボールの縫い目は108だ。」とか言っていたが、これは間違っていて、実際野球のボールの縫い目は108に満たない。

梶原一騎のハッタリは堂に入っていてなかなかのものがある。江本勝のはギャグなんだけど、やはり危険である。というか人間の思い上がりである。どうしようもない自然法則を前にして、生物は適応し進化していく。その積み重ねが歴史であり、文明であり、人生である。美しい結晶を得るためには、美しい言葉を送るのではなく、水の温度やら純度を操作しなくてはならない。その為に人はめんどくさい事を日々繰り返しているのだよ。