繰り返すこのポリリズム

働いたらストレスで殺人鬼に
遊んだら通り魔に殺される
何もしなかったら引きこもり呼ばわり
世知辛いね


んなもんから逃げても、まー世知辛い。
pixivの絵師たちはランキングで嫉妬を燃やし
TwitterではFav数でファッキンガイがいがみ合う


例の件をママン(団塊の世代共産党支持者)に話したところ
「社会が腐っとるからや」
との模範解答を頂いた。
ママン、あンた「はてなダイアリー」始めるといいよ。


んで、バイトへ。


バイト先でガキがクレーンゲームを揺らした。アラームが鳴る。保護者はそれを無視する。ガキの粗相を謝るわけでも、言い訳をするでも、逃げるわけでもなく、そのアラーム音をただ聞き流している。罪悪感のある顔をするのでもない。逆に被害者の顔をするのでもない。涼しい顔をしている。バイトの俺は俺で、この畜生親子に注意するわけでも、その警告音を止めるわけでもない。てんぱった店内のBGMには最適だとばかりに、受け流す。いや、警告音を止めないのは、その畜生親子へのあてつけだ。こんな腐った町こわれちまえ。

この町は、まー、たぶん加藤の住んでいた町と似ていると思う。中京系の自動車関連工場が立ち並び、全国各地から派遣の工員がやってくる。そして、南米人も。

新品の商品が並んでいるショウケースの鍵を誰かが失くし、ケースが開けられない。あけられないってことは販売ができない。在庫はケースに並んでるだけ。んで、ショウケースの合鍵は経営者が用意していない。「鍵をなくして、売ることができません。すみません。」客に呆れられる。いや、俺の方が呆れているって。

店内には和製R&B系な歌がかかっていたが、このシチュエーションには情けなすぎるので、perfume『GAME』をかけて気を取り直そうと思う。

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んー、良いなあ。父親が昔中古のパチンコ台を買ってきたことを思い出した。あの、安い電子音。母親がその電子音を嫌って雑誌類をパチンコ台に投げつけていたっけ。父の顔面にも。


パソコンの画面を眺めて仕事をしているふりをすると、南米人の客が片言の日本語で話しかけてきた。
「この歌はYUKIですか」
なんでそうなる
「違います。パヒュームです。」
「なんてCDですか」
ブツを見せる
「GAME?GAMEですか?」
「違います。GAMEではなくてCDです。GAMEイズタイトル」
2180円也。高い。なんで中古なのに高いのだ。安いものが欲しい人間は、P2Pで安く手に入れる。きれいなのが欲しい客は新品を買う。高い中古に全くの存在意義はない。


南米人は
「ありがと」
といって手にとって眺めていたCDを返した。


変な一日だった。帰ってチョコレイト・ディスコアイマスMADでも探して寝よう。店を出ると、工場の倉庫にまだ灯りがついていた。かすかな金属音が耳を打った。

(フィクションです)