80年代的消費文化・西武資本と私(断片2)

80年代生まれなもんで、80年代のことはよく知らない。が、近所に西友があって、その西友でさえも、スカした印象・都会的な雰囲気があったことは覚えている。紙袋のデザインとか、広告文とか、テナントに入っている無印良品の客層は、西武資本の末端である田舎の西友でさえも、きらびやかであった。

滋賀県人にとってのショッピングとは、京都に行くか、大津の西武デパートに行くことであった。しかし、今日の滋賀県ファスト風土化が進み、このようなスタイルは最早過去のものになりつつある。滋賀県人御用達であった京都の近鉄はつぶれ、私は十年以上西武デパートに行っていない。

近所の西友は改装されて、24時間営業食料品型のものに変わった。無論、あの頃のスカした風景は、深夜の薄暗い店内と青白い顔した店員に代わっている。隣町にこの手の西友を中心としたショピングモールができたりもしたが、案の上DQNのたまり場になっている。

「高度消費社会から、ファスト風土へ。」という気味の悪いぐらいに判りやすい光景がここにある。この判りやすさに逆行し、瞼の80年代を復活させることが、ポストモダンにせよ、サブカルにせよ、今日の80年代リメイカーたちの立ち位置だろうと思わなくも無い。