近頃の落ちかた2

私は古書店でアルバイトをしている。小中学生が小遣いを叩いて、中古で650円もする『ドラゴンボール』の豪華版を嬉々として買っていく。一体、何なのだ近頃のショタどもは。

ドラゴンボール』を才能ある鳥山明を潰した作品として把握する見方がある。一方で『ドラゴンボール』を過ぎ去った思い出として見る人々もいる。『ドラゴンボール』こそ最高のものと信じ、少年時代と地続きの感性を持ち続けるヤツもいる。んで、近頃のショタどもは20年前に始まった作品を嬉々として疑問も持たずに読んでいる、と。

そういうガキどもは「世代」みたいなものを形成するのだろうか?幾年か経って、ガキどもが「てめえらの経験を押し付けやがって」と中指を突きたてたとき、自分は何と答えられるのだろう。もしかしたらそんな日はやってこないのかもしれない。そうなったらそれこそ「マンガの終わり」である。