いまさらシロクマラジオ感想1

http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20080623
いまさらラジオ感想を書く。放送からしばらく経ったので記憶違いが大量にあると思う。その辺は勘弁を。
オタの服装はやはりよくなったと思う。その原因には

・服飾が安価になったこと(メイド・イン・チャイナ)
・オタクコンテンツが安価になったこと(ブックオフP2Pの出現)
・それらに対するアクセスがしやすくなったこと。(ユニクロの店員は話しかけてこないので安心。あと近所にユニクロができた)
等があげられる。ユニクロ(笑)かも知れんが、やっぱりユニクロはオタ全体の小キレイ度をあげたことは確かであると思う。昔のオタはもっとアレだった。んで、安価でアクセスしやすくなったから、金のない十代でも、服飾に金を回せなかったはずのオタクでも、ちっとはましな格好をできるようになったのではないか。

あと、オタク系コンテンツの普通人への波及は経験上「ある」と思う。同世代のオタは何かを背負っていた。イジメや貧困や家庭の不和や膨大な自意識や凶悪な劣等感を持っていた。そいつらが一撃必殺的に、またはその現実から逃避するために、猫背をしながらバカ騒ぎをしていたと思う。だが、書店でレジ打ちをしながら思うに、その手の人間以外にもオタコンテンツを買っていく客が一定数以上いることを知った。特に10代の客にはふつーの風貌の人間やイケメンやら体育会系の人間が平気な顔で『とらドラ』や『ゼロの使い魔』を買っていったりするのがいる。こいつらがイベントやらで年長のオタに混じると
「ああ、オタの服装はよくなったよなー」
ぐらいに思うのではないか。

あと、妄想だが、おそらく私たちは「人間は外見ではなく中身」という古風な美徳から遠く離れている。そして、その情況の認識は下の世代ほど徹底してはいないか。つまり「他人は何を考えているかわからない。他人の内面なんてわかるわけがない。」→「つまり他人も俺をどう思っているかわからない」→「つまり世界は不信に満ちている」→「ならば、下手に不審者に思われないように格好だけはまともにしよう」と若いのは思っているのではないか。これは妄想だし、説明できないことも多々あるが、「人間は外見ではなく中身」という古風な美徳は日々確実に失われ、その結果として皆小キレイになっていったのではないか、と勝手に思っている。

いまさらシロクマラジオ感想2

シロクマ先生がラジオで仰っていた「(小さな)共同体」というものを、アレコレ妄想してみる。

彼が生まれた家族や地域的共同体は、彼が積極的に選んだわけでもないのに、所属が決まっている場合がある。そこにおいて「愛」を得るのは比較的容易い。しかし、そこから抜け出すのは全く容易ではない。それが彼にとって全く「愛」のないものであった場合、彼はかなりの苦労を強いられることになる。

会社のような集団は、彼が積極的に選んだ集団である。きっぱり縁を切るのは容易い。家族・地域的共同体に比べれば流動性が高く風通しは良いが、「愛」を得るには、政治力・権力を行使し、丁々発止の日々を送らなければならない。まったくゆっくりできない。

そして、これらの中間に位置する集団があると思う。学校の「クラブ」のような集団だ。

「逃れられない家族」と「生きるか死ぬかの勉学」の間の緩衝材として「クラブ」というものは存在していると思う。人によっては学生時代にこの集団によって「愛」やら「癒し」みたいなものをえたのではないか。勉学の息抜きや、家族からの逃避場所として「クラブ」に熱中した人もいるのではないか。

しかし、「クラブ」も地獄になりうる場合がある。その「クラブ」が強い目的意識を持っていた場合、レギュラー組と控え組みの確執みたいに生きるか死ぬか的世界になってしまうことがある。また文系の趣味サークルであっても、その趣味に対する能力によって順列が決まって、優越感ゲーム渦巻く大変にギスギスした集団になることもある。となると、ゆっくりできない。

ここで思いつく理想の集団は目的意識の低い「クラブ」的集団である。しかし、「ナンパサークル」のように、ここでは恋愛が前景化したりする。恋愛には政治力・権力・丁々発止がつきものである。まったくゆっくりできない。

ならば恋愛が発生しない目的意識の低い「クラブ」的集団ってのはどうか?おそらくシロクマ先生が思い描いているのはこういったものであると思える(それか自主的に築いた家族だ。)。それが可能であるか?は知らない。ただ、オタが熱狂する『らき☆すた』『あずまんが大王』『ハルヒ』には、恋愛を抜いた(百合でカモフラージュしたor隠蔽した)ゆっくりできる「クラブ」的な生活が描かれているように思う。無論、『究極超人あ〜る』みたいなのを想起してもいいだろう。また昨今は、この手の「ゆっくりクラブもの」とでも言うべきものが増えているのではないか。

「入学した主人公が、わけのわからんクラブに入って、クラブ内の恋愛で強い葛藤をせず(または百合もので誤魔化して)、なんとなくゆっくりする」というようなものが、なぜか俺の本棚に並んでいく。


ヒャッコ 1巻 Flex Comix

ヒャッコ 1巻 Flex Comix

おそらくブレイクであろうカトウハルアキヒャッコ』なんてのはこの手のものだろう。学校内の友達的共同体の話。「恋愛要素なしのぬるい部活もの」から、さらに「部活の要素」さえ削ったものとでもいえばいいか。非コミュがコミュに巻き込まれながら癒されていく話。といえば嫌な気分になるが、百合ものに仕立ててあるので、全くけまらしさがない。俺なんぞはこの手のものを、おそらく現実においても望んでいることは全く否定できない。シロクマセンセに強くオススメする。