毎日のマンガ

某氏と話込んだときに
鳴子ハナハルは、俺らの好きだった物の集大成だ」
という話をした。

アニメ的人物像の描線を徹底的にラフに描き、黒っぽい画面を作ること。吾妻ひでおの弟子たちが、あっちの世界を軽くポップに描いたのなら、こっちの世界と向き合って、痛さをふりまくこと。私たちが行くべき場所ではなく、帰るべきどこにも無い場所を描き、そこに至れないこと。憂鬱な女の子が、決してやってこない何かをずっと待っている。その姿勢と、白と黒の美しい風景。

鳴子ハナハルは、そういった作家の決定版だ。と盛り上がった。この意見がどこまで正しいのかは判らない。だが、少なくとも自分が読みたくて仕方なかったものが目の前に完璧な形として現れた、と思った。そして「好きな物は鳴子が形にした。だからもっと別のことをしよう」と話した。

そんなこんなで鳴子ハナハル成年コミックは未だ買っていない。マンガは発売日近くには敢えてスルーし、その後で後悔した様に書店を探し回り、結局ネット通販で買う。買った頃にはブックオフに売っていて損した気分を味わう。それがスタイルだし、変える気はない。だからどうした。