パヒュームの季節


サエキけんぞう原作:しりあがり寿作画の『テクノの季節』(初出1988年)を皆様はご存知だろうか。『同棲時代』のパロディマンガなのだが、舞台は1980年。同棲しているホモカップルの男役の方が、テクノカットをするところから物語は始まる。

男は木造安アパートに巨大シンセサイザーを持ち込み、就職もせず、一日中テクノを奏でている。女役のほうがついにぶちきれて、男役をひっぱたく。

男:「みろよ… 街中カリアゲだらけだぜ でもあれだな この街でカリアゲしたのはオレが一番早かったよな」

女:「そうよ あんたはいつも流行ばっかり気にしてそのくせ世間にでていこうとしない 臆病者!!」

二人は喧嘩を始め、男は女の顔を叩き、女はキーボードを蹴る。その中で、彼らは情事にもつれ込む。行為の後、ふたりは畳敷きの部屋に裸で横たわっている。

女:「・・・これからどうなるかしらね」

男:「テクノの後かい・・・」

女:「・・・私達のことよ」


パヒュームが流れる現代。8ビットに夢ではなく郷愁さえ感じてしまう時代。桃井はるこがかつてはプロデュースした、このバンドとアイマスが組み合わされ、今日もサーバーの中を響いている。

そんな風景にも、上記したような、男と女が腐って横たわっている日常があるのだろう。「臆病者」と、それを飼い、押し倒される女の話。ただし女は2次元だろうが!