イロニアのヤマト

最近はついったー(http://twitter.com/yasudayasuhiro)に篭っている。

id:crow_henmi氏とid:nisemono_sanの才覚に驚愕している。どうでもいいが自分がフルカツ氏のことを知ったのはid:nisemono_san氏経由だ。ホントにどうでもいいが。

滋賀県の駅前の閑散っぷりは酷いもんで、駅すぐそばのショッピング系テナントビル内でさえも、シャッターが閉まっている店が目立っている。これで人口が増えている市なのだから、モータリゼーションの波は留まるところを知らない。ただ、「駅前」ってのも、「ファスト風土」同様に一つの人工的・均質的空間であろう。バスターミナルがあって、ラーメン屋があって、駅ビルがあって、駅前商店街がある。そして何より「駅」というものは、街の外れに作られている場合が多い。そう、ここもまた一つの「郊外」なのだ。んで、治安が悪いから交番が建っていたりもする、と。

駅が郊外に設置されたのは、諸説あるだろう。私は「汽車の煙や騒音が酷いからだ」と思っていた。大学時代に、教師にそのことを尋ねると「人の交通が多いからではないか。しかも土地以外の人間も入ってくる。つまり変な人間がやってくる危険な場所だから郊外に作られたのではないか?」と仰った。

人が行きかう場所っていうのは危険だろう。四つ辻は怪談の舞台になる。「十字路で悪魔に魂を売った」と言う黒人ミュージシャンもいる。「つまり、郊外=交通=危険=何か生まれるかも?ってわけだな。学者連中は呑気に」という物言いが頭に浮かぶ。いや、それを言ったらお仕舞いだろう俺も。

そんな駅前に古本屋が出来た。いってみたらブックオフと逆向きのプレミアをつけたがる昔ながら風の古本屋だった。序ノ口譲二の本1000円也。熱烈投稿1000円也。台風クラブ1000円也。うーん。その他ヴィレッジバンガード臭い本にもプレミアがついている。

小瀬秋葉のマンガを発見。小瀬秋葉ってのは掘骨砕三の別PNで、作風はBL。さぞプレミアが付いているんだろうなあと思ったら100円だった。即購入する。バカ店主め。脇が甘いわ。プレミアつけて好事家気取りだろうが、まだまだ未熟ですねえ。と一人優越感に浸ったりする。

ブックオフの凄いところは作品タイトルにプレミアを付けないところだ。プレミアを付けない=フラット=ポストモダンやがな!ってのは早急すぎる物言いだろう。フラットな世界で自分の好みに合わせて本をチョイスするってのは、店主の好みに従うか否かよりも、主体性みたいなものを要求されるわけで、むしろブックオフ=モダンではないかとボンヤリ思ったりする。

図書館に行く。『嗤う日本のナショナリズム』読む。興味深すぎる。大澤真幸ナショナリズム観をドメスティックに推し進めている感がある。某所でおまえは北田のいうアイロニストだ!と言われたので、それを参考にすることによってさらにアイロニー度を増すことにしよう。カバンにBL本を入れた、イロニスト。小瀬秋葉の描く身体と生殖器のように分化し増殖し、白濁と汚水が撒き散らされた世界で、大いに嗤ってやろう。