冬の唇(モテと俺)

近所に住む美人姉妹の姉の方が結婚する。と、書くと余所余所しいが、よく考えてみたら、彼女は私の幼馴染なのだ。小さい頃はよく遊んだと思うのだが、全くその記憶がない。小さな頃から美人だったようには記憶している。小さな頃から容姿相応にモテていたと思う。だが、どうも私と彼女とが、年少の頃、一緒にいて、何やら会話を交わし、遊んだという記憶がない。いや、実際には遊んだに決まっているのだが、どうも記憶だけがない。

男の目から見て、美人というものはスゴイと思う。美人だから中身が無いということは、悲しいぐらいにありえない。愛されて育ったから、ひねくれていない。愛されて育ったから、他人の愛し方を知っている。愛を余剰にもっているので、他人にふりまける。だからモテる。完璧すぎる。無論、これは人生経験の少なく、男性である私の想像だから当てにはならない。女の仲間内で変なことをやっている可能性は十分ありえる。

タイトルは忘れたが、近藤ようこの作品に「俺は不細工だが、美人が好きだ。不細工なお前は嫌いだ」みたいなシーンがある。納得は出来る。でも、自分には当てはまらないと思う。異性と言うものは容姿ではない。性格でもない。一緒にいて面白いとか、相性だと思う。それに一般的な美人はつまらない。自分の好みは、骨太で飾らない姉ちゃんとか、本屋でレジを打っている姉ちゃんみたいのだ。

しかし、美人の幼馴染が結婚するという知らせに私は確実に動揺した。カップに注いでいたコーヒーをこぼしたりした。「盗られた」と心の奥底では思ったことだろう。「少子化に歯止めがかかるってわけだな」とハッタリをかましてみた。同世代の人間が結婚しているのに、昼間から家で寝ている自分は一体何なんだ?と思ってみたりもした。でも、しっくりこない。

おそらく自分は美人が好きなのだ。しかし、手前の甲斐性からして、美人の獲得レースには到底生き残れない。だから降りた。そして過去の幼馴染と過ごした具体的な記憶を消去した。逃げて、逃げたことを忘れた。その上で「美人は嫌いだ。」と言っているのではないか?押さえ込んだものが目の前に現れて、動揺しているのではないか?と思ったら、薄ら寒い気持ちになった。こぼしたコーヒーを拭き、乾いた唇を舐める。


http://d.hatena.ne.jp/i04/20080115/p1
そんなこんなでid:i04さん主宰のオフ会が2月10に開かれる。名付けて「京都もふもふオフ2〜ぼくらの承認欲求未満都市」。ぶっちゃけて言うとid:i04さんは関西のDQNでは決して無い。文系のやさしい兄ちゃんだ。だから怖い人の集まるオフ会では決してない。私にしても、無頼を気取るような小心者なので、怖いわけがない。何かあったら、シロクマ先生が頭から食ってくれるので安心だ。まー、オフ会の前文に上の様な文章を書く人間でも生き残れるオフ会になると思うので、空気の読めない君でも大丈夫。冬の京都でもふもふしましょうぜ。