好きしてテロリスト(アキハバラ解放デモ雑感)

保田「どうもー」

やすひろ「なに?脳内対談?痛いなあ。母ちゃん言ってたぞ、わたしはおまえの歳で子供を産んだって。」

保田「ま、それはいいとして。デモについて語ろうや」

やすひろ「話を逸らすなよ。大体、脳内対談ってそんな芸ないぞ。」

保田「いいじゃん。こんな日記だれも読んでないんだし。で、本当はデモに行きたかったんだろう?」

やすひろ「それはあるね。秋葉原行ったことないしさ。それにたまには外を堂々と闊歩したい。コスプレの姉ちゃん眺めたりさ。でもそれはデモに回収されるようなもんなんだろうか?私生活を充実させればそのような不満はなくなるもんじゃねえの?」

保田「私生活は大きな何かによって規定されているって。てめえが無職なのは経済のせいだし、非モテなのは恋愛資本主義のせいだ。」

やすひろ「そりゃ、無責任ってもんじゃないか?」

保田「でた。自己責任論。このネオリベ野郎。ププー小泉支持者ですか?」

やすひろ「よくわからない言葉をしゃべると後でひどい目にあうよ。Wikiで後から調べればいいや。とか思っているんだろう?」

保田「うーん。でもさ、人に個性というもんはない。主体というものはない。何かに規定されている。感動の裏側には真理も実存もなくて、単に感動を引き出すデータベースがある。萌えってのはそういうことだろ。泣きゲーをやりつつ、こんなに感動しているのは俺だけだと思っているやつが一杯いて、さらにその内の大勢がそのことを知っているという。『この私』ってのは幻想で、おまえはそのことをオタク・サブカル文化を通じて散々味わってきたではないか。友達の中でこれを知っているのは俺だけと思っていたら、ネットにはそんな奴一杯いるというか。個人はない。個性はない。単に社会の反映物がある。だったら自分を変えるには社会を変えないと。冒険でしょ?でしょ?」

やすひろ「冒険したけりゃ、面接でもいってこいよ。」

保田 「なんか小林よしのり『脱正義論』みたくなってきたね。後の小林よしのりは右傾化して没落したのでした。終わり。」

やすひろ「だから、それは政治への参画がイデオロギーの内容に関わらず、単に痛いってことの証明でしょ?社会変えたきゃ選挙いけ。」

保田「選挙じゃなにも変わらないと外山恒一センセも言っているよ。第一、支持できるような政党なんてあんのかよ。」

やすひろ「確かにそれはないけど。」

保田「自民党に入れりゃ搾取される。民主党はマイノリティーを支援するかも知れない。でも悔しいことにアンタはマイノリティーではない。マイノリティのデータベースに君の事は記入されていない。」

やすひろ「そりゃ、まあ。人権教育で差別をやめよう、イジメをやめよう。ってやったけど誰も『やすひろくんを大切にしよう』って言ってくれなかったもんな。」

保田「それに今あんたは苦しいでしょ。」

やすひろ「それは素直に認める。」

保田「そのアンタの存在を世に認めさせるためのデモですよ。フリーター、ニート、ひきこもり、ロリコンショタコン、女装趣味にコスプレ、オタクに2ちゃんねらー。どいつもこいつも、マイノリティの台帳に記入されていない人間だ。下手すりゃ、マイノリティ支持人間に嫌われていさえする。そして何より私たちは苦しい。何物にも還元されない、苦しんでいる『この私』がいる。そのことをデモでセカイにアピールするんだよ。世界の中心でI=愛を叫ぶ。『この私』がココにいるんだって」
やすひろ「ちょっと待てよ!おまえ、さっき『この私』なんていないって言ったばかりだろ?」

保田「あれ?じゃあこうしよう。組織化してどこかの支持母体になろう。」 

やすひろ「それは『この私』の滅却だ。組織化によってハミ出てくるものはいくらでもある。それに支持して、なんか利権でも欲しいわけ?オタク年金とか?会社は一定量ロリコンを雇わなければならない、とか。非モテを救うべく合同結婚式とか?どれもこれもディストピアじゃねえか。」

保田「じゃあ、『この私』で。動物化とかデータベースとかいうものは無いって方向で。」

やすひろ「あるよ。皆ハルヒのコスプレしてきたじゃねえか。ここでフェイントをかまして今更セーラームーンって奴がどれだけいたよ?」

保田「じゃあ、どうしろと?」

やすひろ「だから話合ってんだろ自分と。」

保田「ひどいオチだなあ。」

やすひろ「オチじゃないよ、つづくよ。たぶん。」

保田「ええ!現実に戻れっていってたのに脳内対談続くの?ププー」