英雄の午前四時

アカヒ新聞の一面にフィギュアが載っていると聞いたので読んでみたら、『ロストジェネレーション』という連続の特集コーナーがあって、確かにそこに載っていた。フィギュアのことはわからんのでなんともいえない。

フィギュアが載った『ロストジェネレーション』第七回のテーマは「結婚」であり「理想の異性像」である。そこにはフィギュアの所有者の話だけでなく、派遣社員として働く女性の話も出てくる。

この女性の話がどうも痛い。引用する

(その女性が)父と暮らしたのは小学生まで。背が高くてキリッとした石原裕次郎のようなイメージが残っている。離婚後も母は「お父さんは仕事のできる人だった」と褒めていた。
 だから結婚相手も、フリーターやニートでは絶対あり得ない。

「だから」か。なにこのファザコン
理想のダンナ像と自分の父親像がかくも合致しているとは。そりゃ人に多少はファザコン・マザコンの気はあるよ。でもここまで無意識に表明されると引くってば。

それに対しフィギュアの男はなかなか謙虚で開明的だ。

<理想の結婚相手>
 趣味を認めてくれる人。それが最大の条件。

というわけで、女は死ね。みんな死ね。フィギュアが地上に残ればそれでいい!

こんな感じで『ロストジェネレーション』において、異性間の連帯は生まれず、世代間の内ゲバに私達は明け暮れ、「運動」は興らず、世界はかくも遠くなる。

こういうのをセカイ系と呼ぶ。呼びません。