すごいメイドで守ります

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

今更だけどすごいぞ。なんせメイド喫茶マンガの癖に作者はメイド喫茶に行った事がないときてる。柄谷行人中上健次の生前に、彼の故郷の新宮に行かなかったそうだけど、作者はメイド喫茶だもんな。気合と倫理が違う。作家の鏡だよ。「萌え」の理論とか流行なんてもんは、良くて暇つぶし、悪くて妄想、もっと悪くて知ったかぶりだろ!と作者が言っているように私には思える。へへー。

じゃあ、メイドの「外」にゃなにがあるんだろ。作者は地味なキャラクターを主人公にしている。そして地味なキャラクターに縞パンはかせたり、パンチラさせたり、ラブコメさせたりさせてる。「萌え」に鉄槌を下したいのか、そうでもないのか。わからん。その癖マンガは面白いんだよ。画面の隅に「ガンヘッドVS地獄極楽丸」とか書いてみたり、メイド喫茶の婆さんとか主人公の友達のブ○がいい味出してたり。主人公の目がいい加減な造詣だったり。「萌え」とか「非萌え」とか「○○系」に括れる作品は大抵つまらんのさ。評者をそう駆り立てる衝動には注目してもいいけど。やっぱり作者が大暴れしているものが、面白い。

まろまゆ』『コーヒーもう一杯』と同時に楽しみたい一本。今更だけど。