基地の外

イジメが問題になっている。私自身はイジメ問題にいまいち興味がわかない。そんなことよりも、教育機関が請け負うべき責任の範囲はどこまでなのか?っていうことのほうに興味がある。

イジメを率先して行う教師はクズである。イジメを放置しておく教師もクズだ。でも「私教師の業務は勉強を教えることである。イジメという生徒間のトラブルは私の業務外である。」と反論されたら私はグウの音も出ない。他人にサービス残業を強いるのは鬼畜であると私は思っている。

学校というものを「教育サービス機関」と把握すべきか「理性を体現したもの」とみなすべきか?という問題でもある。前者であればイジメは業務外である。後者であれば「理性」がイジメという不法を看過してはいけないということになる。だが、公的機関が一定の「理性」を体現しつつ、それを行使するというのは少し危なっかしい。道徳のように「人権」やら「平和」やら「ジェンダーフリー」を叩き込まれた人間にはこの感覚はよくわかってもらえると思う。教師は公務員でもあるのだ。

学校を「教育サービス機関」としつつ、イジメに関しては弁護士やら警察を校内に入れるという手もある。でもこういうのは絶対に支持されないだろう。教育に良くない、ともいえる。


こんな前置きはどうでもいい!以下の記事が面白かった
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20061018/20061018_004.shtml

福岡県筑前町の三輪中学校父母教師会は17日、全校生徒に「私は取材を受けません」と書かれたオレンジのカードを配布した。生徒が取材に応じたくない場合、記者らに見せることを想定しているという。同会の鎌田正博会長は「保護者から取材を断りきれない生徒もいるとの声が上がり、カードを作った。取材拒否を生徒に強いるものではない」としている。

=2006/10/18付 西日本新聞朝刊=

「内部の規範が外部に通用しない集団を共同体と呼ぶ」と言うのが大正解なんだろうけど、こういう感覚ってわかるんだよなあ!いるじゃん。いつもは怠け者の癖に、しなくてもいい時に一番してはいけないことを絶妙のタイミングでするヤツ。こういうのをタナトスって言うのだろうね。「イジメ」や「公」や「教育」よりも人類にとって深遠な問題がここに横たわっている。