美しい星へ2

同著で安倍は以下のようにも述べている。

挙げられた三つの戦略のうち国防についていいますと、日本にとって安全保障問題は、60年代以降、いわば密教の領域に入っていたと思うのです。表で堂々と議論することができなくて、どこかで専門にやっている人たちがいるけれど、彼らの存在は誰にも気づかれないようにする。そんな年月を送ってきたのです。ところがその結果、議論が非常にマニアックになってしまい、憲法の解釈論が繰り返される、世界に通じない議論になりつつあります。ですからこれをまた顕教の領域に戻すのです。

自分はよく知らないので、知っている人に解説してもらいたいのだが、顕教密教ってキーワードの元ネタは鶴見俊輔久野収現代日本の思想』であろう。天然か作為的にかは知らないが、おそらく安倍は彼らをうまい具合に誤読してみせている。いうまでもなく、誤読するためには彼らへの興味がなくてはならない。

「政治家や官僚には密教的で、大衆には顕教的だった天皇を徹底的に顕教化したのが軍部だ。その結果日本は暴走を始めた」みたいな話をどこかできいた様な気がする(詳しい人教えて)。ならば安倍っていうのは…。いやあ、面白くなってきたぞ!