ガロを少し

『ガロ』の1968年4月号が手元にある。読んだことのある作品が結構あるので、あまり新鮮さは感じなかった。いや、そんなこともないな。今じゃ文庫サイズで読むのが一般的な作品をA4サイズで読むのは気持ちがいい。佐々木マキ林静一の作品は絶対このサイズの方が面白い。「連載雑誌サイズで読む名作マンガ」みたいなシリーズをどっかの出版社がやってくれんかね。老眼に苦しんでおられるかつてのマンガ読者も多数いることだろうし。「読みにくい」といわれる少女マンガの傑作群だって、雑誌サイズで読むと印象が変わると思うのだが。所謂「マンガ表現論」はマンガのサイズについて何も言っていないように思うのだが、このあたりはどうなんでしょう。

ところで『ガロ』の1968年4月号の値段は150円である。同号に広告が載っていた『漫画主義』の第4号(新崎智こと呉智英の評論『パットマンXの痛苦を知れ!』が掲載されている)の値段も150円である。これは現在の貨幣価値に直すと幾らぐらいだろう。

漫棚通信ブログ版さんの記事
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2005/11/post_f968.html
によればこの当時の月刊誌である『少年画報』のお値段は200円で、週刊マガジンの値段は60円であったとのこと。だったら薄いけどマニア誌である『ガロ』はそんなに高いわけじゃないんだ。むしろ安いと。『漫画主義』も高くない。でもサイズも同人市場の値段のこともわからないんだけど。


そんなわけで、リアルタイムで読んでいた方は「君たちの時代の雑誌にはコミティアとかとらのあなとかの広告が載っているのだけど、我々の時代だって同人誌の広告が載っていたんだぜ。それに『赤色エレジー』ってあるだろ。あれだって食えないアニメーターの話しだしな。いまでいうと『アニメがお仕事!』みたいなもんか」等と善良なオタクどもを惑わす発言をしていただきたい。いや、べつにしなくてもいいですが。