暗しの手帖2

8月15日は確かに死者が帰って来る日ではある。でもそれは仏教の話であって、神道とは関係がないはずである。こういう日に靖国神社に参拝するのは、いかがなものだろう。ルーズといえばそうだし、「これぞ日本」という感じもする。

そもそも私たちの魂は死んだらどこへいくのだろう?今、英霊は古戦場を彷徨っているのだろうか?それともあの世に行ったのだろうか?草葉の陰から私たちを見ているのだろうか?山の向こうに行ったのだろうか?仏壇や墓場にいるのだろうか?靖国にいるのだろうか?

わたしたちにとって「死者」は多様な解釈を許すものであると思う。しかしこのような多様さを、ひっくり返して一つの「死者」をみてみたいという衝動が私の中には少しある。そんな8月15日。