日本はオオ僕らの国だ

谷山浩子の『森へおいで』ロングバージョンを聞く機会があった。どうやら宮崎勤事件を歌ったものであるらしい。ゼミの姉ちゃんに「COMIC LO」のコピーが面白いと薦めたところ完全にスルーされてしまった自分としては、なかなか感じ入るものがあった。いや、怖い歌だった。本当に怖かった。あまりにも作詞者はこの事件を甘美に取り扱いすぎている(コメント蘭にて指摘あり。申し訳ない。)。その甘さが、体に染み込んでくる。頭がクラクラするのだが、途端に突き放されてしまう。

私は文献の中でしかあの事件を知らない。事件は当事者たちにとって、中々デカイものであったようだ。その大きさを、彼らの戦略と見るか、それとも本気で言っているのか、は少し無視する。例えば女たちはアレをどうみたのだろうか。町田ひらくの消費のされ方を見ていると、全く違う方法でアレを見ていたのではないか。

どっかのブログ(忘れました。すみません。)で事件の被害者は1980年の生まれであることを知った。かの佐藤友哉と同じ年に生まれたワケだ。そう思うと何か恐ろしいものを感じる。佐藤自身(特にデビュー作)の存在というか嗜好や、そして彼を持ち上げる年長者たちは、わけのわからない衝動に駆られているのではないか。

被害者の冥福を祈る。