熱烈投降

夕暮れ時に自転車を漕いでいたら、せつなくなってきた。
潰れたパチンコ屋。駐車場のコンクリを割るセイタカアワダチソウ。タイヤを盗られた軽自動車。回転寿司や焼肉屋に入る家族連れ。向こうのほうに怪しげな建物が見える。建てかけの、新興宗教の施設だ。無理な曲線を描いた屋根は、未だ張られておらず、雨にさらされている。

左翼が流行ろうとしている。だからはてなダイアリーで日記をやろうと思ったんだ。90年代の、あの「空気」を吸ってないクソガキどもが、小林よしのりにハマッたオッサンをド突き上げる日は近い。でも、果たしてアレは左翼なのだろうか。左翼っていっても色々ある。アレやコレやソレや。例えばオタク左翼ってのはよくわからない。オタクと左翼ってのは本質的にくっつくものなのか。

本宮ひろ志がえらいことになっていたことを最近知った。浅羽通明は『ナショナリズム』の中で彼に言及していた。詳細は忘れたが、本宮の作品を肯定的な意味で取り扱っていたはずだ。その本宮が、やっちまった。それを彼の才能の枯渇に求めるか、ジャンプ的なものが行き着いた先と見るか、は横においておく。おそらく俺たちは尻尾を踏まれたのだ。左翼に言質を掴まれてしまった。でもなぜ、それが本宮ひろ志であったのか。

もちろん世の中は変わり続ける。何かが起こっているていることはウチの犬でもわかる。でも私はウチの犬といっしょで何をいっていいのかわからない。winnyが2chと深い関係にあることを思い起こさなければならない。winnyを使った少年の一撃は、13億8000万円だ。


西村眞悟っていう人が好きだ。大阪に生まれ京大を経て弁護士となり、現在の位置にいる、という彼のヒネクレ具合が。関西人にとって、敗戦とは関ヶ原の戦いのことを指す。先の戦争とは応仁の乱のことをいう。本気にしなくていい。だが「また大阪か!」といわれる場所で生まれた彼の「日本」とは、ヒネクレた者たちにとって、否応なく沁みこんでくるものである。

学期末に試験があるのは普通だが、教養部の学生は試験ボイコットの方向に動き、僕のクラスも試験ボイコットを決めた。僕はこれ幸いと試験準備を中断し大学に行かず京都を離れていた。しかし、この間レポート提出で試験に替えるという大学側の方針転換で僕のクラスは、例の抑圧された論客達も含めみなレポートを提出して単位を取得していたのだ。僕だけが、レポートも提出せず試験ボイコットをしていたことになる。単位ゼロだ。こんなあほらしいことはない。正直者が馬鹿を見るとはこのことだ。
 後日のことになるが、資本主義の抑圧体制を主張し、あれだけ大學の建物を利用しつくし毀損して恥じなかった「優秀な学生」は、ほとんど四年間で卒業し、いわゆる大企業に就職していった。(http://www.n-shingo.com/profile/page10.html

この「ナショナリスト」に誰が勝てるのだろうか。