私とゲーセン

http://image.blog.livedoor.jp/dqnplus/imgs/6/e/6e599301.jpg
笑えるが笑えない。

ゲームと共に生きてきた。というのは大袈裟ではあるけども、少なくとも家庭用ゲームと共に生きてはきた。幼稚園の頃にスーパーマリオが、ローティーンの頃にSFCが、中学を卒業する頃にはPS・SSが発売された。おそらく自分の世代が「ゲーム」といえば「家庭用テレビゲーム」を指す最初の世代であろう。ちなみにRPGといえばドラクエ・FFのことであって、TRPGって何?という世代でもある。ファンタジーといえばドラクエ・FFという世代でもある。その傷はそこら中で疼いていることであろう。

私の町にゲーセンはなかった。自転車で30分ほど行った隣町にはあったが、そこには「てめえ何中?」という隣町の地元のヤツラがいて怖くて入れなかった。無論、学校帰りのガキが晩飯までに隣町のゲーセンまでいけるはずもなかった。

私の町のスーパーマーケットにSNKの筐体が2台ほどやってきたのは、革命的出来事であった。たしか餓狼伝説とモンスターが街中を破壊しまくるヤツだったと思う。これはやばかった。月の小遣いが1000円ぐらいのガキがその全てを注ぎ込むのである。金が足りなくなったヤツは、親の財布の金をくすねたりもした。筐体の前に人だかりができた、というよりは行列ができた。

いうまでもなく学校やらPTAがこれを問題化し、筐体は撤去された。ガキどもは悔しがったが、こうも思った。「短い期間であったが、あのゲームを遊べた俺たちは本当に幸福であった」と。

今となっては笑い話である。それに局地的出来事だ。と思っていたが、私の町から10キロ以上の離れたバイト先の人間にこのことを話してみたら「いや、俺の町でも同じ事があった」というではないか。おそろしい。格ゲーが精神史的事件である田舎者が日本中にはゴロゴロしているわけだ。

ちなみに私は昇竜拳が出せず、UFOキャッチャーにドツキまわされ、ゲーセンへの道を閉ざして、ラグビーをやったり、少年キャプテンを読んだりした。狐やら猪が出没する町の話。