ひぐらしのなく植民地1

いま『ひぐらしのなく頃に』の体験版をダウンロードしている。プレイ日記でも書こうと思う。

ひぐらしのなく頃に』の舞台は昭和五十年代であるという。この言い方は奇妙だ。昭和五十年代という言い方は普通はしないらしい。私は昭和五十年代生まれなのだが、昭和について何か知っているか?と問われたら、おそらく何も答えられない。昭和五十年代という言い方は、何時でもない時代と言っているに等しくはないか。

しかし、オタク−マンガ業界においては重要な時期だ。昭和五十年代は黄金の時代といってもいいだろう。コミケの開催は昭和五十年。うる星やつらの連載開始は昭和五十三年。ガンダムの放送は昭和五十四年。映画のナウシカは昭和五十九年。中森明夫が『ブリッコ』紙上で「おたく」という言葉を使うのが昭和五十八年。マンガ業界に目を向ければ、劇画が衰退し、少女マンガで多くの傑作が生み出され、ニューウェーブたちが大活躍した時代である。手塚治虫が復活した時代でもある。「最近のマンガはつまらない」というクリシェはこの時代と現代とを比べた結果生み出されたものと言ってもいいだろう。

「昭和五十年代」は「オタク−マンガ業界」においては重要な時代であり、昭和史にとってはどこにもない時代だ。社会や歴史や政治に接近する「オタク−マンガ」屋が存在する中で、「昭和五十年代」を選んだ『ひぐらしのなく頃に』は一体何を見つめているのか?

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